2016年 秋冬メンズ・キャンペーンの撮影舞台裏

ジェームス・ジャガーの独占インタビューを公開

デヴィッド・ボウイやニック・ケイヴなどミュージシャンたちのスタイルをはじめ、80年代ディスコや英国のパンクバンド、スキニ―・ガール・ダイエットを含む多岐にわたる音楽から強く影響を受けていると話すのは2016年 秋冬メンズ・キャンペーンに起用された俳優そしてミュージシャンのジェームス・ジャガー。同キャンペーンのフォトシューティングの舞台裏で彼の独占インタビューを行いました。

名門のリー・ストラスバーグ劇場研究所で演技を学び、現在はHBOのテレビシリーズ「VINYL」で無名バンドから成功を収めるまでに成長するロックバンドのリード・ヴォーカル、キップ・スティーヴンスを演じているジェームス・ジャガーは、その他にもSex, Drugs and Rock ‘n Roll Mr Niceに出演しています。

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あなたが憧れる男性のスタイルは?

僕は昔からアウトロー的なスタイルに憧れていたけれど、ニック・ケイヴはアウトローでありながら、常に並外れてスタイリッシュだと思うよ。マイルズ・ケーンも、いつもシャープな着こなしだよね。そしてもちろん、ホワイト・デュークのデヴィッド・ボウイ(「痩せた青白き公爵」と本人が名乗っていた)。彼は男性服の概念を覆す存在だった。彼を見ていて飽きることなどなかったけれど、滑稽に見えたことも一度もなかった。いつも、彼の自由な発想こそが正しいように思えたよ。


ファッションに関する最初の記憶は?

昔の記憶を正確に引き出すことは難しいけれど、僕が最初に欲しがったファッションアイテムが、リーボックのポンプだったことは覚えている。バスケットボール選手だったシャキール・オニールが広告に出ていたので「ブラック・トップス」と呼ばれていたんだ。当時6歳だった僕は、それをひどく欲しがったけれど手に入れられるはずもなく、母にセーラースーツを着せられていた。でも本当は、リーボックのポンプが欲しかったんだ。


成長していく中で、最も強く影響を受けたルックは?

もちろん僕もひどく後悔するような格好を披露したことがあるよ。8歳の時に「リトル・マーメイド」をテーマにした、コスチュームパーティーに出かけたんだ。ハウスキーパーが3週間もかけて熱心に作ってくれた、フラウンダーの衣装を着てね。パーティー会場へ入っていくと、8歳児の男の子全員がシルクシャツとブラックパンツの装いに、剣を持って王子様として参加していた。僕だけが一人、巨大なグッピーの衣装で現れたんだ!それが僕に最も強く影響を与えたルックだね。オケージョンに合っていない格好をしていることに気付かされた、初めての経験だった。


あなたの独自のスタイルについて教えて?「ユニフォーム」と呼べるような、あなたを象徴する格好はある?

僕はコーディネートに少しずつ変化を加えるようにしているので「ユニフォーム」と呼べる格好は特にないかな。エフォートレスなスタイルが好きだし、そうあるように意識しているから、鏡の前で2時間も時間を割くこともないよ。コーディネートはロンドンの影響を強く受けていて、都会的な格好をダークトーンでまとめていることが多いかな。



今季コレクションの中から、お気に入りのジミー チュウ・シューズを選んで?そして、どこへ履いていく?

今季コレクションから選ぶ僕のお気に入りは、今も履いている「KURT」だね。これならいつでも履いていられるよ。デニムはもちろんのこと、スマートな格好との相性も良さそうだ。「FOXLEY」のスリッパは、スモーキング・ジャケットと合わせたい。スモーキング・ジャケットは持っていないけれど、パイプ煙草を合わせれば完璧なスタイルが完成するね。


ロンドン市内でお気にいりの飲みどころはどこ?

ロンドン市内でお気に入りの飲みどころ?たくさんありすぎるよ。ストーク・ニューイントンにあるOriginal Sinというところは、とても美味しいカクテルを作るんだ。ソーホーにある劇場風の雰囲気が素敵なパブ、The French Houseも気に入っている。熱々の中年カップルたちがたくさんいて、独特の雰囲気がある。僕自身は日本酒が大好きなので、ロンドンにある数少ない日本酒バーにも良く行くよ。そのうちの一つ、Rokaにある焼酎は最高の味がする。


ロンドンで生のライヴ演奏を聴くなら?

難しい質問だけど、混み合った時のBrixton Academyを超える場所はなかなかないよ。雰囲気とステージが本当に素晴らしい。カムデンにあるKocoのような、昔ながらの劇場も好きだ。


一日だけ、他の誰かの靴を着用するなら誰を選ぶ?それはなぜ?

靴を履くだけなら、プリンスの紫色のスパンコールが施されたプラットフォームシューズがいいな。せっかくみんなを振り向かせるシューズなのに、残念なことに持ち主が履くことはもうないのだから…誰かが履かなければ。



最近良く聴いている曲は?

その時の気分次第で、様々な曲を聴いているよ。その中でも最近良く聴くバンドは、ロンドン出身のスキニ―・ガール・ダイエット。最高のバンドだ。オーストラリア出身のトータル・コントロールもかなり気に入っている、とは言え、やはりオールドスクールな音楽、特に80年代ディスコチューンはやめられないね。


なぜ、男性のファッションにおいてミュージシャンは絶大な影響力を持つのだと思う?

人から注目を浴びたいなら、ミュージシャンは間違いなく天職のうちの一つだよね。しかし、それよりも音楽というものそれ自体がアイコニックな存在であることが起因していると思う。だからこそ、ミュージシャンたちはアイコンになれるんだ。例えば俳優は、常に異なる人物を演じなければならない。それと比べて、ミュージシャンたちは自分自身が基盤だし、他の人より目立った格好をすることで自身を主張することもできる。だから多くの人はコンサートに行ったりミュージックビデオを見ることで、憧れの対象になりたがり、スタイルや振る舞い方を真似たりするんじゃないかな。エンターテイメントとはファンタジーであり、憧れの存在を通して自分と向き合うことだと思っている。僕自身も「あんなにお洒落で、ほうき棒くらいに細くて、格好良い男になれたらいいのに!」と、ニック・ケイヴのパフォーマンスを見る度に思うよ。


ダンスフロアで踊りたくなる曲は?

SylvesterそしてPleasurekraftの曲ならなんでも。そして、ファンキーなディスコチューンも必ず僕をダンスフロアへ導いてくれるよ。


これまでで最も奇抜なファッションは?

何を奇抜とするかは人それぞれの感性によるけど、バチェラーパーティー(独身最後のパーティー)でとてもセクシーなブラックドレスを着たよ!もう少し若かった頃は、デニムにスプレーをかけたり、グリーンパテントのクリーパーシューズを履いたり、パープルのレオパード柄に染めたヘアスタイルなど、露骨なパンクスタイルを好んでいた。こういったファッションを楽しんでいた時代は半年ほどの短期間で終わったけれど、かなり奇抜だった。当時の写真を見返すと、気まずい思いで写真をベッドの下にそっと隠しておきたい気分になるよ。とは言え、当時はそれが僕だったんだから、しょうがないよね。



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