ここは眠らない街ニューヨーク。ジミー チュウのクルーズキャンペーンの撮影が行われているスタジオ。土曜の夜の街を彩る幻想的な光が全面ガラス張りの窓から撮影現場を照らしている。ここでカーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)が彼女らしい情熱的なダンスムーブメントを披露。ニューヨークの伝説のディスコ「スタジオ54」から現われたかのような煌びやかなフォルタードレスに身を包んで。その姿から彼女の自由奔放な生き方が伺える。ただそれは、カーラが自分のやりたいことに夢中になれない気まぐれな女性だということでは決してない。 カーラはモデルだけでなく女優としても活躍(最近公開されたリュック・ベッソン監督のSFファンタジー映画『ヴァレリアン(Valerian)』で同じくモデルであり女優のリアーナと主演を務めている)。ティーンエイジャーの心の成長を描いた自身初の小説『Mirror, Mirror』で作家としてもデビューを果たした。他にも様々な社会活動に積極的に参加している。カーラのキャリアを知れば知るほどパーティガールのイメージは薄らいでいく。しかし、彼女はやはりモデルであり女優。2018年クルーズコレクションのクリスタルを散りばめたヒールを履き、ダンスフロアで華麗に踊り出す。カーラは「クラシックの曲がかかっても踊れるわ。結局、音楽がなくても踊るのよ」と笑う。ホリデーパーティに最適な装いを尋ねると、マルチに活躍する25歳のクリエーターらしくこう答えた。 「ドレスアップが一番ね。素敵かどうかだけではないわ。少しおちゃめにエルフやトナカイになったりするの。素敵なキラキラのドレスを着て、鼻を赤くしたりして。いつもと違うことをするの。普通のパーティの装いではないわ」。

カーラはジェンダーアイデンティティに中立的な立場で活動する一人。キラキラ光るミニドレスは卒業して、アンドロジナスなテーラリングをさっそうと着こなす。「男女の区別は少なくなってきたと思うの。アンドロジナスな着こなしとは、男性が着ているものを選ぶことではなくてマスキュリンとフェミニンのどちらが心地良いと感じるかということ」と語る。写真はデュアルジェンダーをコンセプトにしたジミーチュウの「 Borrowed From the Boys(ボーイフレンドから借りたシューズ)」のカプセルコレクション(3つのスタイルでメンズとウィメンズ展開12月末以降予定)。制約から解き放たれた女性たちの感性を感じさせる。

“ニューヨークは眠らない街だから、このシューズを履くのにぴったりね。”

そんなカーラが、2018年クルーズコレクションの中で一番気に入ったシューズがレインボーカラーのクリスタルが散りばめられたブーツMAINEというのも納得。「私にとってMAINEはカラフルな光に包まれたニューヨークの夜空のよう。ニューヨークは眠らない街だから、このシューズを履くのにぴったりね。履き心地も最高よ」。ファッションへの関心は子供の頃から変わらないが、好みは変化しているようだ。「大人になるとともにファッションスタイルは変わってきたわ。文字入りのTシャツやベースボールキャップはあまり使わなくなって、ベレー帽やレザージャケットが多くなったわ。それが成長ということかしら。それでも着るものは快適でないとね」。

確かにカーラはここ数年、固定観念に捉われない生き方をしている。クリエイティブに多方面で活動したいというのは口先だけではない。カーラの強い意志の表れだ。「女優だからといって女優しかやれないわけではないわ。誰だってなりたいものになれるのよ」。 モデルだけをしていた頃と比べてプレッシャーは減ったとカーラは言う。「今はやりたかったことを色々やっているのであまり忙しいと思っていないの。モデルだけをしていた頃は単調に感じることもあったわ。悪い意味ではないのよ。移動が多くてストレスが多かったから」と当時を振り返る。「クリエイティブに感情を表現できることが私にはいいみたい。好きなことをやっているので忙しさは感じないわ」。 彼女と同世代の多くの女性が「クォーターライフクライシス(20代後半の幸福感の低迷)」を迎えている。25歳のカーラはその逆をいく。やりたいことの優先順位に従って着実に歩んでいる。今年後半に公開された映画『ロンドン・フィールズ(London Fields)』でアンバー・ハードとともに主演を果たし、2018年公開予定の映画2本への出演が決まっている。彼女にはやりたいことがまだまだたくさんある。「ライターの仕事は続けたいわ。本や雑誌だけでなく映画やテレビ番組の制作関係も。いつかディレクターもやってみたいわ。女性のストーリーに焦点を当てるの。題材はたくさんあるわ」。

“男性が着ているものを選ぶことではなくてマスキュリンとフェミニンのどちらが心地良いと感じるかということ”

年末はイギリスに帰ってクリスマスを過ごす。「家族全員集まると大人数になるので、クリスマス前にみんなで郊外にでかけて、仮のクリスマスを祝うの」。彼女にとって最高のクリスマスとは、「友達や家族と食事を楽しんで、パーティで盛り上がって、沢山のプレゼントをもらうこと。贈り物には私なりのこだわりがあるの」と語る。「贈り物は金額では選ばないわ。心がこもっていることが大切だと思うの。ユーモアがあって面白くって奇抜なプレゼントを選ぶわ。その人への特別な思いを伝えられたら最高ね」。プレゼントひとつとっても思いが深い。茶目っ気もたっぷり。そこにもカーラの魅力が見え隠れするようだ。

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